【7冊目】ラーオ・カムホーム『タイ人たち』
■タイ強化月間なので文学作品も読むのである。
■短篇集。「アジアの現代文学」というシリーズの一冊なのだが、どっちかというと貧しい農村とか、前近代的なところを舞台にした話が多い。かといって中国文学とかにあるようなマジック・リアリズムみたいな感じではない。書かれた時期もちょっと古くて50年代から70年くらい。日本の戦後文学とかと近い感じかね。そんなに重かったり悲惨だったりするわけではなく、ユーモラスだったりドタバタっぽいところも多くて「小咄集」という感じ。新しいものほどシリアスよりになってるという印象ではある。
■タイ人のことを知る格好の教材として、英訳版がいろんな国で教科書に使われたり、原語のままタイ語教材に使われたりしているという。1編あたりが短いうえに平易な内容なのでそれも納得。
タイ人たち (アジアの現代文学 10 タイ)
ラーオ・カムホーム 星野 龍夫