『ナンナーク』
- 前に『愛しのゴースト』という映画について書いた際に「タイ映画市場最大のヒット作」「これがそんな歴史的大ヒットというのはにわかに信じ難い」等々書いたのだけど、完全な勘違い。この『ナーン・ナーク』こそがタイ映画界に新潮流を巻き起こした大ヒット作なのだった。恥ずかしい間違いをしました……。
- ということで、先に見た『愛しのゴースト』と同じくタイの国民的幽霊譚「メー・ナーク・プラカノン」を映画化したもの。監督はもともとCMとか撮ってたひとだということなのだが、全体に文芸映画的な品格の備わった重厚な作品。一方でしっかりホラー場面はあり（嫁の手が延びるところとか、メー・ナーク・プラカノンものの定番らしい）。監督のノンスィーはこの後、監督にとどまらずプロデューサーとしても活躍。ノンスィー門下生みたいな監督を排出している模様。
- 冒頭の戦争場面がけっこう凄惨なのと、そのあとに映し出される美しい自然描写（雲が流れてったりするの）が、すごく塚本晋也版『野火』に似てる気がしたのだけど、実は影響があったりするのだろうか。
