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【35枚目】Mei Zhiyong / 2016 Tour in China Live Performance

本日も中国のノイズのCD−Rです。

昨年アップリンクで上映された中国ノイズのドキュメンタリー映画と『Sonic Rituals 声响仪式』は北京を拠点とするMei ZhiyoungとスイスのノイズアーティストDave Phillipsが2014年に行った中国17箇所をめぐるツアーの様子を収めたものだった。
演奏や移動の様子なんかも面白いのだが、なんといっても興味深いのは公演後の聴衆の反応。「いったいお前たちは何のつもりでこんなことをやってるんだ」みたいな感じで食ってかかる客がいたり。日本だとそれが笑い話で済むところなのだけど、中国では公序良俗に反する公演を行なっていると密告されたりすると、実際に活動が禁止されることもありうるので問題は深刻なのだ(今後日本もそうなるのかもね……)。
歌詞が規制の対象になる(ミュージシャンはみんな活動するにあたってオリジナル曲の歌詞を提出させられる)のは知ってたけど、ある意味では抽象表現であるノイズはその辺り比較的自由なのかなと思ったら全然そんなことはないというのはショックだった。

さて、会場で売られていたそのMei ZhiyongのCD−Rはその後の2016年に行われたツアーでのライブ演奏を収録したもの。
黒い厚紙のシンプルなケースにクラストっぽいパッチがホチキスで貼り付けられているだけの簡素なパッケージ。盤は一瞬単なるホワイトラベルのCD−Rに見えるけどよく見ると外周部分にタイトルとかが記入されている。それによると4都市でのライブを収録したもののようだ。
怒涛のハーシュノイズあり、リズムトラックの上にスペーシーなシンセを乗せたコズミックノイズあり、マゾンナ的な絶叫を加工したノイズありの全76分。長いけどそれぞれに面白く、退屈せずに聴けた。さすがは現在の中国で最も精力的に活動するノイジシャンである。