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【17冊目】片岡義男『万年筆インク紙』

  • ここ2年くらいか、ノートに万年筆で日記をつけている。日記専門のノートではなくて、仕事のメモをとったりもらった名刺を貼り付けたりとかもろもろ全部一冊にまとめていて、こまかいメモのたぐいは普通のボールペンとかフリクションを使っているのだが、なぜか日記/日誌だけは万年筆。使っているのはパイロットのカクノという1,000円くらいで買えるやつで、インクはブルーブラック。万年筆ってなんとなく特別感があったのだけど、いざ使い始めたら書き心地がよくて普段遣いするようになっている。
  • さて、片岡義男の文房具についての文章はけっこう好きであれこれ読んでいるのだが、これはまた強烈な一冊。片岡義男って小説でもものすごい執拗な描写をする人ではあるのだが、本書ではある種の偏執狂的な側面が全開になっているといいますか笑、いろんな種類の万年筆を集めて、いろんな紙やノートに書き比べるにとどまらず、ひとつひとつルーペでペン先を拡大して見たりしている。さらには廃番となったインクをネットを駆使して全国から買い集めたりも。
  • 正直言って「参考になる」といったたぐいの本ではまったくないが、実に面白いです。