NOIZ NOIZ NOIZ

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キャッツ

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今日の現場

正直なところもとになった舞台には特に興味ないし、スルーかなと思ってたのだが、欧米でのほとんど大喜利状態な酷評に加えて柳下さんのレビュー(朝日新聞映画秘宝)を読んで、これは観といたほうがいいんじゃないかという気になったのだった。だってあれだけ怪作珍作を観ている柳下さんをして「10年に一度の怪作」と言わしめちゃうんですよ。
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ということで観てきたのだが、これが確かにたいへんな怪作なのだった。こちらの予備知識はほとんどなくて、T.S.エリオットが現作でアンドリュー・ロイド・ウェーバーの音楽によるミュージカルの名作である。日本では劇団四季がやってる、という程度のもの。内容については全然知らない。
ストーリーはまああってなきが如し。深夜の劇場で一晩かけて猫たちのパフォーマンスコンテストが行われる。優勝者は天に昇って生まれ変われることになっている。で、まずはコンテストに挑戦する猫たちの紹介がそれぞれたっぷり歌と踊りで展開され、さらに本番パフォーマンスもじっくり披露されるという、ミュージカルならではのつくりになっている。この自己紹介パートが冗長だとかタルいとかいう意見もあるようだけど、個人的にはそれは流石に文句つけすぎかなと思う。そもそも曲がいいのはわかってるので、そこは普通に歌と踊りを楽しめばいいんじゃないですかね。
で、今回いちばん問題になっているのは猫たちの造形。舞台ではちょっとタイトなキグルミで演じられるのだが、そこをCGで妙にリアルにしてしまったために、人間とも猫ともつかない奇妙なクリーチャーができあがっているのだ。中には着衣(それもよりによって毛皮のコートとか)のキャラもいたりするのだけど、基本的には全裸で変なエロさが生まれている。女性キャラはさすがにそこまで胸を強調したりはしてないのだが、男性キャラは胸筋がけっこう強調されたりするので妙に生々しいの。あと、ゴキブリの場面はほんとに反応に困った。

本気でヒット作を作ろうと全力で作ったら思いっきり違う方向の大怪作ができあがったというタイプの映画なので、その手の人は必見。オリジナルのミュージカルのファンとかは、やめといたほうがいいと思います。
といいつつ実はけっこうヒットしているようで、劇場で見かけたのも普通に家族連れとかカップル(老夫婦含む)とかが多かったんだけど、どう思って観てたんだろうか。