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【21冊目】『エドワード・バンカー自伝』

ストリート読書家チーム「Riverside Reading Club」というのがあって、最近はアトロクなんかにも出てるので知ってる方が多いかと思うのだけど、そんな彼らが好んで読んでいるジャンルのひとつにノワールとかクライムノベルというのがある。たぶん書店なんかではミステリの棚に置かれる類の小説だが、謎解き要素はなく、犯罪/犯罪者を描いたもの。とくに彼らが推している作家のひとりがエドワード・バンカーだ。
少年時代より、本人がずっと犯罪に明け暮れ刑務所とシャバを行ったり来たり(ムショのほうが長い)するような人生を送ってきたのだが、一方で読書の虫であり、それが嵩じて自身も執筆を開始。やがて獄中で書き上げた作品が評価され、晩年は作家として過ごしたというモノホンである。タランティーノもバンカーの愛読者で、『レザボア・ドッグス』にも出演させている。

そんな彼の半生を綴ったのがこの自伝。これとは別に、自身の少年時代をモチーフにした自伝的小説『リトル・ボーイ・ブルー』というのがあって、内容的には重複する部分もある。というかこの本、刑務所内での人種のこと(ワッツ暴動などが起きる以前は人種間の対立はなかったとか)など興味深い記述はいろいろあるものの、いかんせん長いのでちょっとダレる部分がある。邦訳はこれを含めて5冊出版されており、ぼくが読んだのはこれで三冊目なのだけど、これまで読んだ2冊の小説(『ドッグ・イート・ドッグ』と『リトル・ボーイ・ブルー』)のほうが面白かったなというのが正直なところ。彼の小説は現在全部絶版だと思うのだけど、なんとかして残り2冊も読みたいと思う。

エドワード・バンカー自伝
エドワード バンカー
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