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ギャング・オブ・ニューヨーク

TV録画で鑑賞。スコセッシ監督、ディカプリオ主演の実録ギャング映画。
舞台はリンカーン大統領時代のニューヨーク。今となってはニューヨークといえばアメリカの中でも国内にある外国というか、かなり例外的にリベラルな土地になっているわけだが、当時はリンカーンに対して反発し「なんで白人が黒人のために戦争しないといけないんだ!」という声も少なくない様子。そんな状況でのアメリカ人の純血主義を標榜するネイティブズ(ってすごい語義矛盾な気がするけど、要はイギリス系なのかな)とアイルランド移民グループの抗争を描いている。ディカプリオ演じるアムステルダムアイリッシュのグループ「デッド・ラビッツ」リーダーの息子なのだが、父親はネイティブズのボス、ビリーに殺されグループも壊滅寸前。アムステルダムは身元を隠してネイティブズに入り、復讐の機会をうかがうが……。
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途中で出てくる選挙のシーンがすごい。アムステルダムアイルランド人を議会に送り込もうとあの手この手を尽くすんだけど、それがもうめちゃくちゃなの。「得票数が有権者の総数より3,000人も多い」とか言われると。「たった3,000か!もっと頑張れ!」って返すみたいな。しかも、その甲斐あって候補者を当選させるも、即座にビリーに殺されるという。
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抗争と並行して、南北戦争への徴兵に対する反発から起きた暴動が起こり、それを暴力的に鎮圧する砲撃が決闘中のギャングたちにも降り注ぎ、最後はかなり悲惨なことに。エスニシティに基づいた複数のグループ、つまりはアメリカという国の成り立ちについての映画なんだな。