ドクトル・ジバゴ
BSで放映される映画を片っ端から録画して観ていくというのが最近は好き。自分からは観ようと思わなかった映画と出会えるところがいい。西部劇率が高すぎる気はするが。
ということで、これもBS録画で観た一本。3時間20分におよぶ大作。これはなかなか自分からは観ないなー。内容はロシア革命に振り回される医者であり詩人である男の生涯を描く大河ロマンである。原作はロシア/ソ連の詩人パステルナークだが、革命について大変批判的な内容のためソ連国内では発禁。映画もたいへんにロシア革命については批判的なトーンで描かれてるんだけど、これはまあ1965年のアメリカ映画ということで、やや反共プロパガンダ的な要素もあるのかなという気もしないでもない。機会があれば原作のトーンとどのくらい違うのか読んでみたい(読まない予感がする……)
幼少期から始まり、ボルシェビキたちの活動が盛んになる時代に医学生となったのち、第一次世界大戦に軍医として従軍。革命後のモスクワに戻ると、住んでいた屋敷は接収されて生活は一変。追われるようにして家族を連れ、田舎に脱出を試みるがパルチザンに捕らわれてこれまた軍医として連れ回され……という感じで歴史に翻弄されていく。一方で妻子がありながらもずっと気になる女性がいて、というロマンスも平行して展開。このふたりの運命に大きくかかわる悪徳弁護士というのがなかなかいいキャラクターである。大筋悪者なんだけど、そればっかりでもない感じが、大袈裟に言うとドストエフスキー的なのかな、という気がする。
全編スペインロケらしいんだけど、だだっ広くて寒そうな感じが実にロシアぽく撮れていたと思う。全体的に、「往年の文芸大作を観たなー」という感想。