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【29冊目】古川日出男『おおきな森』

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ギガノベルが届いた #古川日出男 #おおきな森

自粛期間中に発売された大著を、自粛期間の最終日に読み終えた。

大きく3つのプロットが並走している。
記憶を失った男、丸消須ガルシャが汽車(満州鉄道らしい)の中で目をさまし、そこで出会った防留減須ホルヘーおよび振男・猿=コルタとともに、社内で起こった殺人事件に巻き込まれるというのがひとつ。
探偵となった坂口安吾が、コールガールの失踪事件の調査を依頼されるというのがひとつ。
そして妻と一緒に京都で小説を書こうとしている「私」の話がひとつ。

この3つのプロットがやがて宮沢賢治にも言及しながらふたつの東北(日本の東北地方と、中国の東北部である満州)をめぐりつつ、731部隊なんかも絡み、古川さんの過去作にも関連しながら、全然予想もつかない展開をしていく。「どういうこと!?」ってなる部分も多々あるし、この膨大な書物を「読み終えた」と言ってしまっていいものか。少なくとも、他人に内容をかいつまんで説明できるほどには読みこなせていないので、また折を見て読み返すこともあると思うし、読み返せば新たな発見もきっとあることだろうと思う。

つか、その前に20周年リミックス本『とても短い長い歳月(THE PORTABLE FURUKAWA)』と、『グスコーブドリの太陽系 宮沢賢治リサイタル&リミックス』と、『ローマ帝国三島由紀夫』をまだ読んでなかったのだった。読もう。