【33冊目】『スーパーマン:レッド・サン』
バットマン=陰/スーパーマン=陽。というのがまあ一般的な認識だろう。でまあ、基本的にダークなほうが好きなのでぼくはスーパーマンのコミックは全然読んだことがなかったのだが、本作は「もしもスーパーマンが降り立ったのがソ連だったら」というパラレルワールドもの。『ダークナイト・リターンズ』では米国政府の手先となったスーパーマンがバットマンと対立するという展開があるんだけど、その逆を行くわけだ。
スターリンの信頼を受けて西側諸国と戦い、時には反政府レジスタンスを率いるバットマンとも戦う。最大の敵として立ちはだかるのはアメリカ政府のスーパーマン対策研究を全面的に任されたレックス・ルーサー。ワンダーウーマンなんかもうまく絡めつつ、立場は違ってもやはりスーパーマンはスーパーマンなんだなというところはちゃんと残してるところが、単に奇想で終わらないところ。
スーパーマンというのは圧倒的な力を持つ絶対的な正義で、陰のないところがつまんないっていうイメージを持っていたのだが、考えてみるとマーヴェルでいうキャプテン・アメリカみたいなもんなので、そりゃあしっかり話を作れば熱いものになるわな。スーパーマンももうちょっといろいろ読んでみたいなと思いました。