NOIZ NOIZ NOIZ

1999年スタートの特殊音楽個人サイト http://www.noiznoiznoiz.com/ からこちらに移動してきました

昼下がりの決斗

ペキンパー初期作。原題は「Ride the High Country」。この適当な邦題からもなんとなく当時の扱いがわかりそうなものか。
f:id:junne:20200616131142p:plain
年老いて引退し、仕事を探している元保安官のジャッドが金山に行って金塊を持ち帰るという仕事を請け負う。助手としてかつての相棒ギルとそのツレの跳ねっ返りな若者ヘックが同行することになるのだが、この二人はジャッドを説得して金塊を持ち逃げしようと企んでいた。
f:id:junne:20200616131227p:plain
一行は旅の途中に敬虔なクリスチャンの父と娘が暮らす牧場に一泊させてもらう。この父親はちょっと狂信的なくらいに厳格で娘への束縛がキツく、外の世界は全部悪くらいに思っているタイプなのだが、娘は金鉱で働く恋人に会いたさのあまり、家出してくる。ギルは足手まといだと嫌がるのだが、娘に好意を持つヘックのプッシュもあり、同行することに。
金山に到着して恋人と再開、めでたく結婚した娘だったが、この恋人とその兄弟が実はけっこうな荒くれ者。弟たちまで娘に手を出そうとするので、一行は娘を連れて逃げることに……。
ジャッドとギルの男の友情と裏切り、葛藤みたいなところが本来はこの作品のテーマになるだと思うのだが、この追手との戦いが後半はメインになってくる。タイトルからして、最後はジャッドとギルが決闘するのかなと思ったら、3人vs追手の決闘だったのはびっくりした。

後年の凄みはあまり感じられず。「アメリカの田舎者は恐ろしいなあ」という映画ではある。金鉱の荒くれ者の描写はヒルビリーゴシック的な意味でちょっと興味深かった。