マーニー
ヒッチコックによるサイコ・サスペンス。
主人公は髪の色を変えてあちこちで大金を盗む女性、マーニー。そして彼女の正体を知ってもなお、彼女を救おうとする金持ちの男性(演ずるはショーン・コネリー)。
彼女が盗みを繰り返す背景と、赤い色と雷の音を極端に恐れる理由とは……という感じの、まあフロイディズム映画といいますか。ちょっと弱いというか図式的かなあという気もする。『めまい』とか『サイコ』に比べるとだいぶ落ちるというのが正直なところ。ヒロインの美しさはさすがではある。
ヒッチコック映画には必ず「どうやって撮ったんだろう」と思わされるシーンがあると言ったのは高橋ヨシキ氏だが、本作でそれに該当するのは乗馬のシーンだろうか。あそこは動物虐待とかせずに上手い技を使って撮ったんだと思いたいんだけどどうなんだろう。もう何本か観たら『映画術』くらいは読もうかしらん。