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スターリンの葬送狂騒曲

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映画の感想がだいぶ溜まってしまったので、観た順番にこだわるのはやめて記憶の新しいやつから書いていこうと思います。ただし一方でそれをやってると、過去に見たものの印象がどんどん薄れていくので、最近観たやつと前に観たやつを交互に書いていくことにしようかなと。

ということで、一番最近観たのはイギリス映画『スターリンの葬送狂騒曲』。このところBSの録画で古い映画(新しくてもせいぜい70年代)の映画を中心に観ているのだが、これは例外的に新しい2017年作のイギリス映画。イギリスらしいブラックコメディ作品である。

スターリン支配下ソ連。国営ラジオ曲でオーケストラの演奏を放送しているディレクターのところにスターリンから電話がかかってくる。演奏が気に入ったので後で録音をよこすようにというのだが、ライブ放送だったので録音してないことが判明! そんなこととても言えない、ということで急遽演奏を終えたオーケストラの面々にもう一回演奏させることに――という場面から映画はスタート。その後、スターリンは急死。残された共産党幹部たちが今後の方針を探りつつ、権力争いが始まる。
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ソ連の話なのに全編英語っていうので最初は違和感あったのだが、ブシェミ演じるフルシチョフが滅多矢鱈と「ファッキン」を連呼するのが可笑しいのでOK。当初スターリンの後を継いで書記長に就任するマレンコフの無能ぶり、スターリンの息子のドラ息子ぶり、赤軍司令官の粗暴ぶりなど、実になんというか、(ややベタながら)『モンティ・パイソン』の国だなあという感じ(と思ったら、実際にパイソンズのマイケル・ペイリンも出てたのね)。筒井康隆風味もある気がする。
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ソ連史を知っていれば(登場人物についての知識があれば)より楽しめるのだろうが、まあ知らなくてもだいたいわかる(登場時にちゃんとキャプションも出るし)ので問題ないと思う。