【12冊目】ケヴィン・バーミンガム『ユリシーズを燃やせ』
- ジョイスの作品がいかに当局から目の敵にされたのか。当時はどれだけ過激なものだったのかは今となっては想像するのが難しい。
- かつては英語圏では軒並み違法とされ、フランスで出版されたものが密輸されていたという。戦後にナボコフやらバロウズやらがお世話になるその手法だが、どうもその元祖は『ユリシーズ』だったらしい。後半、ランダムハウスの創始者がアメリカで『ユリシーズ』を刊行するために、戦略を練りに練って裁判に勝つのだが、それが猥褻裁判史的にも重要な判例となったというのも驚いた。そんな中でも完全に我が道をいくジョイスの基地外っぷりも最高である(家族や関係者は本当に大変だったと思うが)。
- ていうか肝心の『ユリシーズ』をまだ読んでないので(柳瀬尚紀訳が完結したら読もうと思ってた……というのは言い訳ですね、はい)これを機にちゃんと読もうと思いました。まずはホメロスからだな。
ユリシーズを燃やせ
ケヴィン バーミンガム Kevin Birmingham
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ユリシーズ 文庫版 全4巻完結セット (集英社文庫ヘリテージ)
ジェイムズ・ジョイス 丸谷 才一
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【11冊目】大石始『ニッポンのマツリズム』
- 高円寺の阿波踊りや郡上踊りと言った有名なものから、かなり秘境っぽいところまで、音楽的な面白さのある祭りを求めて日本中を周って取材を重ねた労作(とはいえ、この道は奥深いのまだまだスタート地点ですよね!)。有名な祭りも起源は意外と近かったり、きっかけは意外と軽いノリで始まってたりするのも面白い。
- 主に都心の新興住宅地では古くからの祭りが存在しないがゆえに新たな祭りを作ることが求められる(高円寺なんかもその手だし、新興住宅地の盆踊りでは「ドラえもん音頭」「アラレちゃん音頭」といったアニソン音頭が重宝されたというのもその表れだ)。ということは、日本人にとって「祭」というものがどれだけ大切なものなのか。少なくとも、なかったら新たなに作らないと思うくらいには重要視されてたわけで。
- 先日、ラジオに大石さんが出演した際にも「日本人はかなりのパリピですよ」と言い切ってたが、それも頷ける。
ニッポンのマツリズム 祭り・盆踊りと出会う旅
大石 始 ケイコ・K・オオイシ
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9/11(Sun) 小甲子園と牡蠣とMarjinal
- 昼から新宿歌舞伎町Golden Eggにて、各停くん抜きの「小甲子園」GIG……に先んじて10時からスタジオで当日練して、4人でできる曲を確認。以前に各停くん欠席だった際はぼくが通常のギターアンプに加えてベースイコライザー+ベースアンプ使用で低音を出すという形を取ったのだが、今回は安倍くんがベースを弾く形式。
- この編成でできる曲というとどうしてもある程度限られちゃうので、曲数は少なめに。終了後、「今日は控えめだったんじゃないですか?笑」と言われたのだが、正直自分でもそう思った。これまでメンバー揃わない時でも「小甲子園」としてライブをやる機会がちょこちょこあったのだけど、やはり今後は全員揃う時だけにしたほうがいいな。呼んでくれる人にもむしろ失礼だしお客さんにも申し訳ない。
- というような気持ちになりつつライブ後はさくっと帰宅。しようと思ったのだが、家の鍵を忘れてきた。タイミング悪く両親は今日から旅行である。幸い妻が早めに帰ってくるというので、駅前のサイゼで読書しながら帰りを待つ。
- 妻と合流して駅前の牡蠣居酒屋へ。カープ優勝記念として、広島といえば牡蠣じゃろうと(結果として広島産の牡蠣は食べなかった気もする)
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- 牡蠣燻製のオイル漬け。酒が進む!風邪引いててあんまり呑めないのが惜しまれます
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- 前菜三種のうち、無花果の天ぷら。林檎を過熱したやつに似た感じ
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- 牡蠣のなめろう これも酒の進む味!
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- 焼き牡蠣二種
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- 牛蒡を練り込んだ蕎麦を牡蠣入りの汁で頂く。牡蠣の天ぷらもつけました。これがまた旨い!
- 帰ってテレビでMarjinalのドキュメンタリーを鑑賞。この夏に行われたコンサートと、そこに至るまでの様々な活動を取り上げている。急激な経済成長が生む格差社会に取り残された人々とともに生きるバンドの姿にはやはり心を打たれるものがある。ぼくはIt's Only Rock'n'Roll!的なものが基本的に好きなんだけど、こうしたMore Than Musicな側面があることでパンク/ハードコアを自分にとって特別なものにしているという面もあるのだ。
SEJAJAR - MARJINAL JAPAN EDITION 2014 -
MARJINAL (マージナル)
9/8-10 風邪でダウンしてる間にカープが優勝していた
9/8(Thu)ダウン
9/9(Fri)ダウン2
- 朝になったらやはり具合が悪く、もう一日休ませていただくことに。
- ぼーっとしながらグナワのCDを聴いたりする。
ファッキング・カウボーイズ
グナワ・ディフュージョン
オルターポップ 2007-08-05
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9/7(Wed) 無字庵
- 全力で定時に上がる
- 神宮前の会員制リヤド「無字庵」にて、ジャジューカ生還者の会ことサラーム海上さんによる出張メイハネ。9品もの豪華メニューに舌鼓を打ちまくる。事前にレシピも送ってくれたので(マメ!)、真似できそうなものは自分でもぜひ作ってみたい。以下、自分でも写真は撮ったのだけどサラームさんのインスタから拝借。
- しかし田舎は辛い。宴たけなわなところ、電車がヤバくなって片付けもお手伝いせずに辞去。というかもう腹一杯でたくさん残してしまったことが大変に悔やまれます!
MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティー (LD&K BOOKS)
サラーム海上 岡村 理恵
LD&K BOOKS 2016-05-27
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9/6(Tue) 空虚な中心
- 明日はノー残業デーということなので、たっぷり残業してガンガン前倒しで作業を進めておく(本末転倒)。
- ポール・ボウルズ『世界の真上で』を読んだ。アメリカ人夫婦が旅行先で謎の男に出会いクスリ漬けにされるという話。「戻れないところへ行ってしまう」というボウルズ特有のモチーフはここでも健在だ。たぶん日本で出ているボウルズの本は、雑誌の特集号やムックなどを除けばこれで全部読んだと思うのだけど、本当にこのモチーフは一貫している。
- 終生異郷にあってこんな小説を書き続けた作家の内面とはどんなものなのだろうか。自伝ですらあまり内面を開陳しない人だし、関連書を読んでもそのあたりいまひとつ見えてこないのだ。むしろボウルズ自身がある種の「空虚な中心」というか、だからこそ周囲に人が集まってくるようにすら見える。
世界の真上で (ポール・ボウルズ作品集)
ポール ボウルズ Paul Bowles
白水社 1993-11
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- あ、ていうか書いてる途中で気づいたけど肝心の『シェルタリング・スカイ』をまだ読んでなかった!