NOIZ NOIZ NOIZ

1999年スタートの特殊音楽個人サイト http://www.noiznoiznoiz.com/ からこちらに移動してきました

7/19(Tue) Casablanca

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  • 朝早くにカサブランカ着。例によってPassport Controlで長蛇の列。もうすぐぼくらの番となったところで係員が寄ってきて「カサブランカから来たの?なら並ばなくても大丈夫」と。もっと早く言えや!行きよりはマシだがそれでも着陸から荷物をピックアップするまで約1時間。カサブランカの空港はほんと何かと時間がかかる。
  • ホテルから迎えが来てくれている。普通、お迎えは空港内には入れないらしくて、Exitを出たところに出迎えやら白タクやら有象無象やらがものすごい数をなしているのだが、なぜか彼は涼しい顔して空港内にいた。高級ホテルだと違うのだろうか。
  • 涼しい車でホテルまで。クーラー最高!
  • ホテルSofitelにチェックイン。今回の旅行で一番の高級ホテルである。妻が一日くらいはいいホテルに泊まりたいというので。
  • 荷物は預けたものの部屋の用意がまだできてないというのでカフェで朝食。コーヒーとクロワッサンの他、野菜やら果物やらハムやらのビュッフェ。

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  • 食事を済ませてもまだ部屋の用意ができないので近所のスーパーに行くことに。

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  • スーパーと市場はどこの国に行っても楽しい。ここでお土産などを購入。コスメ関係が安いので妻が大量に購入している。まだまだ買いたそうだったけど荷物の重さを考慮して止めておく。

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  • ホテルに戻るとようやく用意ができていた。広い!

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  • 荷物を整理して昼食へ。ホテルは中央市場というマーケットの近くなのだけど、その近くにあるモロッコ料理屋へ。

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  • ぼくはラムのタジン、妻はチキンのクスクス。どちらも旨い!思えばモロッコらしい料理ってあんまり食べてなかったな。

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  • ホテルに戻り昼寝。ちょっとだけ寝て中央市場に繰り出すつもりだったのだけど結局かなりがっつり寝てしまう。暑さで疲れが溜まってるんだろうな。ぼくはそれでもちょっと涼しくなってから出かけることにしたけど、妻はそのまま部屋に残る。ホテルのハマムを楽しみにしてたようなのだけど、予約がいっぱいだったそうで残念そうだった。
  • Virgin Megastoreに行くことにしてホテルのそばでタクシーを拾う。値段を聞くと正直明らかにボラれてるんだけど、たぶん日本円で200円かそこらの違いだし、とりあえず英語が通じる人だから楽そうなのでそのまま乗車。
  • カサブランカだけでも2店舗があり、モロッコではVirgin Megastoreは健在なようである。とりあえずより大きそうなところに行ってみることに。車でホテルからだいたい10分くらいのところなのだが、電車などを使おうとすると今ひとつ不便っぽい場所にある。Anfalpaceというショッピングモールの中にあるのだが、このAnfaというのがモロッコ国内では大きなグループ企業みたいで、街のあちこちで看板を見かけた(主に不動産関係)。タクシーの運ちゃん曰くAnfaplaceは「アフリカ最大のショッピングモール」だという。

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  • 着いてみたら「アフリカ最大?これが?」という感じだった。4階建で車が着くのは一番上のフードコート(マクドナルドとかバーガーキングとかケンタッキーとかそういうのがずらりと並ぶ。レバノンかなんかのファストフード店があるのはちょっと興味をそそったけど)そこからエスカレーター下っていくと、まあグローバルなブランドのテナントが入ってる感じ。どこにでもある郊外の高級目なモールという感じで面白みはない。
  • Virginがあるのは一番下の階。実はここはCD専門店ではなくて、デジタルガジェットやら文房具やら本やら色々と売っている中にCDもあるという形で、CDコーナーは意外と小さかったのでちょっと期待はずれだった。

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  • モロッコ音楽の最先端がどういうものなのかもよくわからなかったのでとりあえず「グナワのCDはありますか」と店員さんに聞いてみたところ「Gnawa is over」とのつれない返答。仕方ないので試聴機に入ってたものとか、ジャケを頼りに数枚購入。単価が安いのでもうちょっと買ってもよかったかも。あとでよく見たら1枚はDVDだったけど。

https://www.instagram.com/p/BILCVtegAF2/
モロッコで買ったCD(一枚はよく見たらDVDだった) #morocco

  • むしろびっくりだったのは、フラワートラベリンバンドとブルースクリエイションのLPが面出しで売っていたこと。そういえばジャジューカで会ったフランス人は「日本の音楽で一番好きなのは『SATORI』」って言ってたな。ジュリアン・コープの影響力を感じさせる出来事。

https://www.instagram.com/p/BIFCunEgNqm/
Flower Travelin Band LP at Virgin Megastore in Casablanca!!
https://www.instagram.com/p/BIFC3veg5GY/
and also Blues Creation LP at Virvin Megastore in Casablanca!!

  • フードコートでフレッシュオレンジジュースを買って一休み

https://www.instagram.com/p/BIDkIMOA4kx/
CDをちょっと買って休憩中

  • タクシーの運ちゃんから名刺をもらってたので電話で呼び出してホテルに戻る。妻もちょっとは元気になってる感じだったので夕食に。これまたホテルの近くにあるスペインレストランCASA JOSEへ。モロッコ料理でもよかったんだけど、白人向けの店はワインが飲めるので。

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  • パエリア。これが滅茶苦茶旨かったんだけどいかんせん量が多くて二人では食べきれず、結局半分くらい残してしまった。できることなら持って帰って朝食にしたいくらいだった。悔しい!

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  • ホテルに戻り写真を整理したりしてるうちに寝落ち。せっかくいいベッドなのにあまりちゃんとした寝方をできなかった気がして勿体無い……。

7/18(Mon) Joujouka to Tanger

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  • いよいよジャジューカともお別れ。朝食をいただいて集会場へ。集合時間より早めに行ったのだが、既についてる車にいきなりバンバン乗せられる。「駅で会えるからとにかく乗れ」とか言われて妻とも引き話された(笑)。昨日の割り振りはどうなったのか……。

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  • 結果として電車の時間よりだいぶ早く駅に着く。しかし一等車は既に売り切れ。まあいいか、という感じで二等車の切符を買い、駅前のカフェでみんなで時間をつぶす。カフェの客がほとんどジャジューカ帰りの面々だ(笑)
  • 電車は30分遅れでやってきた。なんかすげえ混んでいて二等車両から溢れてしまい、一等車両(コンパートメントになっている)の廊下にずっと立つことに。冷房がコンパートメント内から漏れてきて涼しいのでこっちのがいいや。

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  • と思ったら、途中の駅(海水浴場のあるところ)でぞろぞろと降りていく家族がいて一等車の席に座らせてくれた。ラッキー!
  • タンジェに到着。タクシーを捕まえるが、最初はメーターが動かないとか言い出す。だったらいくらになるか先に言え、とかワーワー言ってたら警官が寄ってきて何やら運転手と話し、メーターを動かすことに。何だったのか。
  • 途中で老人が相乗りしてきた(モロッコのタクシーは相乗りが多いらしいです)。のだが、途中で降りてそのまま何も言わずにふらふらとどこかへ行ってしまう。ナチュラルに無賃乗車!運転手も呆気に取られて為す術なし。「俺はタクシーなのに!仕事でやってるのに!何なんだあれは!」とぼやいているので「いやいや、君はいいことをしたんだよ。きっと今日はいいことあるよ」とかなだめてみたり。
  • ということで最初に泊まったのと同じホテルに戻る。シャワーが浴びれるって素晴らしい!
  • タンジェの老舗ホテル「エル・ミンザ」へ行ってみる。かつてボウルズをはじめ、タンジェを訪れる様々な名士が泊まった由緒正しいホテルである。プールサイドのカフェで久々のビール。

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  • ランチがまだだったので、ぼくはクラブサンド、妻は魚介のパスタを注文。このパスタがこの旅で唯一の激マズ料理。ていうか味がしないの。テーブルの塩やらスパイスやらをガンガン振りまくってなんとか食える味になったものの、味がしないくせに胃にもたれるという……。半分くらいでギブアップ。

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  • ホテルに戻り昼寝。
  • 暗くなってから老舗カフェ、CAFE BABAへ。

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  • ストーンズのメンバーもたむろしてたという名門である。店内にはいろいろと写真もあって楽しい。とはいえ基本的には地元向けの営業をしているようで、客層は地元の若者が多い。みんなポーカーやらボードゲームやらに興じている。

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  • 晩ご飯はどうしようかなと思ったのだが、いかんせん昼のパスタがいまだにもたれているので断念。貴重なタンジェ最後の夕食が……悔しい……。

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  • タンジェからカサブランカのフライトは朝5時頃。ホテルでタクシーを頼んだら3時には着いてたほうがいいね、12時半にロビーに降りてきてと言われていたので時間どおりにチェックアウト。そしたら快調に走ってくれて1時すぎには着いちゃって超暇……チェックインも4時まで待てとか言うので荷物も預けられずカフェで読書。なんか今回の旅行、飛行機や空港にいる時間(それと寝てる時間)が異常に長い。
  • とはいえ飛行機は順調に定刻に出発。搭乗するなり爆睡。

7/17(Sun) Joujouka三日目

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  • どうも熱中症気味なのか、ずっと軽く頭痛がする。昨晩の演奏も、バファリン飲んで横になって聞いてたのだ。昨日の洞窟が悪かったのかな……
  • 9時半ごろ起きて朝食。
  • 同じ建物に止まっている日本人(英国在住)が膝をいためており、昨日はとうとう歩くのもままならないくらいになっていたところ、ホストファミリーのマダムたちが近所から治療師のようなおばさんを連れて来て強制的に超痛いマッサージを施したという。そしたらしばらくすると急激に回復。歩けるようになったので集会場まで来て、軽く踊れるまでになったとか。
  • そしたらさすがに急に無理したせいか、朝になったらまた痛くなっていたらしい(苦笑)のだが、また治療師のおばさまが登場。オイルを塗りながら痛いところをガンガン引っ張ったりしてて、たしかに超痛そう。妻は大変興味深そうに見ていました。
  • ジャジューカに来てからはこれが大活躍している。これがなかったらどうなっていたことか。携帯ミスト扇風機(カープ坊やモデル)を忘れたのが痛かった。

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  • ジャジューカには水道が通っていないので、井戸水を使用している。旅行者は飲まないようにと言われていて、ペットボトルの水が提供されているのだが、シャワーをどうするかというのが問題。一応、トイレ(床に穴が空いてて、用を足したらタライの水を流すモロッコ式)に置いてある水を使っていいということになっているのだが、衛生的にどうも抵抗があり(まあ都会のモヤシっ子ですよ所詮は)、初日は汗拭きシートで体を拭くにとどめていた。
  • のだが、同じ家に止まっているイギリス人女性にその話をしたら、「水浴びは全然大丈夫よ!飲んだり歯磨きに使ったりしなければ大丈夫」と軽く言われたのでトライする気に。それじゃあいっちょやってみますかと水浴びをしてみたら覿面にシャキーンとした。冷たい水最高!
  • ちなみにこのイギリス人女性はアフリカでHIVなど病気の調査をするという仕事をしている人。一見髪も白くなりかかった上品そうな女性なのだが、そりゃタフだわ(さすがに暑さには参ってたけど)。
  • ほかにも、ここに来ている人たちは、日本人も含め観客もそれぞれに面白いバックグラウンドの人が多く、「普段は何してるの」なんて話を聞いてるだけでも退屈しない。
  • 水浴び効果で一瞬元気になるものの、その後は例によってランチ(と言っても夕方頃)まではただただ寝て過ごす。昨日までよりはちょっと楽になった気がするが、それでも厳しい。
  • ランチは魚のフライである。かなり長時間揚げてるようだが(中東はカリカリに揚げるのが基本みたい)、身がパサパサになることはなく旨い!

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  • また昼の演奏が始まるが、体調が今ひとつなので2曲くらいで退散。

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  • ところでこの村ではロバが大活躍している。井戸で汲んだ水を運ぶ姿はよく見かけた。我々が到着した時にもものすごい量のトランクを背負わされてるのでなんか可哀想になっちゃったり……

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  • 暗くなってから集会場に行ってみると、みんなステージでごろ寝してるのでご一緒する。ちょっと涼しい。
  • 夕食は集会場の室内でスープ。なんで暑いのにわざわざ……我慢大会か……という気もしたが、なんかとろみがあり、茹で過ぎたパスタの断片みたいなのが浮いたスープでこれがまた旨い。

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  • そのあと出てきたミートボールがこれまた超旨い!

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  • ジャジューカを世界に知らしめるきっかけとなった地元の画家、モハメッド・ハムリの肖像画が集会場の壁に飾られていた(ブライアンのアルバムのジャケを描いてる人、というとわかりやすいかね)。それまでも目にしてた絵だけど、そう言われる急にありがたみが出てきたりする。彼のお墓も村にあるのだそうだ。

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  • ここで帰りのタクシーの割り振りが行われる。ぼくたちはタンジェまで一緒に帰りる日本人グループで固まって同乗することに。
  • タンジェで買っておいた民族衣装をいよいよここで着用。

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  • 24時半ごろからいよいよ最後の演奏開始。

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  • 途中から村の女の子が踊り始める……と思ったら、これが全部男の子。

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そもそも女性を花嫁にすることと引き換えにこの村に繁栄と音楽をもたらしたのが、半人半獣の「ブジュルード」。そしてある時ブジュルードが姿を消してしまったことから、その後村では代々ブジュルードに扮した村人と女の子に扮した男のたちが踊る儀式が毎年行われるようになった、というのがざっくり言うとこの村に伝わる音楽と踊りのルーツなのだ。
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  • やがて古楽ダンサーの日本人女性がなんと地元の衣装を着せられて登場!いやー、昨日の時点で明らかに気に入られてるなーと思ったら!

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  • いよいよ終盤、焚き火が行われる。思いのほかでかい火なので驚く。この火の前でブジュルードがひときわ激しく踊るのがクライマックスだ。

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  • 火が消えるとミュージシャンたちも場内を練り歩き、熱狂のダンスは頂点に達する。

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  • 4時近くまで、およそ3時間半にわたる大熱演を経て、3日間のフェスが終了。音楽と生活の関係について、すごく感じ入るところのある三日間だった。

7/16(Sat) Joujouka二日目

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  • 9時頃起きて朝食。パンやパンケーキ的なもの、オリーブというのは基本的に一緒だが、新たに出てきた蜂蜜が濃厚!

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  • 広場で牛の屠殺・解体をやってるというので、同じ家に泊まっている人が見学に行っている。他にも結構日本人が見に行ってる模様。特に本業がマッサージ師である某嬢などは筋肉のあれこれに大興奮しておられた模様。ぼくは遠目に眺めるに止めた。
  • イスラムでは屠殺の祭に家畜の耳元で「ビスミッラー云々」と唱えるという決まりがある(日本のハラルフード専門屠殺場には1日数回それを唱えるだけの住み込みのバイトが存在していた、なんて話も教えてもらった)。今回牛の屠殺にやってきたのはそれも込みで行うプロフェッショナルらしく、近くで見ていた人によればその解体作業は実に鮮やかな手つきであったらしい。村人ではなく、そのためによそから呼んだ模様。

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  • それはともかく引き続き強烈に暑い。本当もう何もできないのでそのまま部屋でゴロゴロする。

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  • 昨日に続き昼食になるのがだいたい夕方くらいの時間帯になる。昼食は集会場で今朝捌かれたばかりの牛のタジン。黄色いのはジャガイモです。ありたがく残さずいただく。旨い!

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  • モロッコサラダと米

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  • ランチのあと、村の若者がひとりで楽器を演奏し始める。この青年、なんでも去年までは完全なパシリだったのだが、今年は演奏に加えてもらえることになったのだとか。太い紐みたいな低音の弦をボヨンボヨンと鳴らす、というもの。

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  • そのうち老人たちが集まってきて、「お、なんかやってるのか。じゃあ一緒にやるか」みたいな感じでゆるゆると昼の演奏が始まった。昼の演奏はやはり昨日と同様、バイオリンをリード楽器に据えたうたもの。ブライアン・ジョーンズのことを歌った「Brahim Jones Joujouka Very Stoned」も披露された(というか、この曲も定番ナンバーらしい。ブライアンは村でかなり愛されている模様)。

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  • 宿泊先のすぐそばにモスクがある。例によって朝早くからアザーンが流れるのだが、幸いそこまで爆音ではない。

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  • 日が落ちかけたあたりで「洞窟に行こう」という話が出てくる。アルバム『Joujouka Black Eyes』のジャケにも出てくる岩窟のことだ。半人半獣の「ブジュルード」がここで踊ったと言い伝えられている(のかな。村人の話を聞いた限りではそんな感じのようです)。

Joujouka Black Eyes
Master Musicians of Joujouka
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  • 村に一本だけある舗装された道路(これも数年前まではなかったらしい)をはずれ、雑草をかきわけて道なき道を行く。ブジュルードを演じるスターダンサー自ら先導。

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  • 見えてきた!

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  • なんだかんだで村から片道40分くらい歩いたところで到着。と思ったら最後にけっこうハードな岩登りが待っていたのだった……。サンダルで来ちゃったよ……。一瞬諦めかけつつも村の青年が手を引いてくれたりしてなんとか登った。疲れた……。
  • 降りる時も大変である。村の青年から「次はそこに足をかけて」と一歩一歩指示されてなんとか降りられた。疲れた……。
  • 村に戻ってまた少し寝てから、そろそろ夕食かなと思って広場に行ってみるが、まだ全然そんな気配ではない。妻が料理しているところを見たいというので台所のある家(集会場の裏にある)に行ってみたら、日本人リピーターチームがくつろいでいたのでご一緒させてもう。
  • 料理中のポテト

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  • 牛肉

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  • 料理中のマダムたちから妻がいじられ始め、あれこれ民族衣装を着せてもらったり。

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  • とかなんとかゆっくりしているうちにディナータイムとなる。肉は昼と同様。今回はフライドポテトが乗る。もちろん旨い。

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  • ディナーが終わり真夜中を過ぎると夜の演奏二日目。子どもたちが踊りたがって隙あらば前に出てこようとするも、老人たちに叱られて追い散らされているのが可哀想なような可笑しいような。

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  • フランスを拠点に古楽バロックルネサンス、あるいはそれ以前)の音楽で踊るという活動をしている日本人女性ダンサーが来ていたのだが、これがまた基礎のちゃんとした人ってのはやっぱ違うのねえといいますか、ステップがすごく綺麗なの。ブジュルードにもすっかり気に入られた様子。

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  • そして今夜も夜は更けゆき、2時間に渡る狂乱の宴はブジュルードの登場とともに最高潮を迎えるのでありました。

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7/15(Fri) Joujouka

  • タンジェからジャジューカへ移動の日。クサール・エル・ケビールというのがモロッコ国鉄の最寄り駅になっており、そこまで行くと村から迎えの車が来てくれることになっている。
  • ぼくたちはタンジェからクサール・エル・ケビールまで電車で行く予定でいたのだが、日本人リピーターチームが予約していた車に急遽乗せてもらえることになった。とはいえ、席が空いた理由というのがメンバーの一人が熱中症でダウンしてしまい、大事をとってジャジューカ入りを遅らせることになったということで、大変心配である。
  • 書くのを忘れていたがモロッコは物凄く暑い。タンジェに着いた時点でけっこう日中街をうろうろするのはキツいものがあったのだが、ジャジューカはなんか「熱波に襲われている」とかで確実にもっと暑いとのこと……。
  • ということで車で一路出発!社内が既に暑い。一応冷房は入れてるようなのだが……。

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  • 駅に着く。暑い。妻が駅前の銀行に両替に行ったところ、列に並んでたおばさんから「どこに行くの?え、ジャジューカ!?なんで!?暑いわよー(爆笑)」と言われたそうで(白目)。

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  • ほどなく迎えのタクシーがやってくる。数分走るとすぐに街を出て岩だらけの砂漠地帯に。一本道を延々と走っていくうちに、突然標識も何もない分かれ道に入っていく。これ、知らないと絶対わかんないと思う。戌井昭人さんが以前、独力で行こうとして辿りつけなかったという話があったけれども、おそらくこの分かれ道がわかんなかったんだろう。
  • どんどん山の上に分け入っていき、ジャジューカ村へ到着。ひとまず集会所みたいなところへ照合。車を降りると子供たちが「ムッシュ!ムッシュ!」って超群がってくる。この時点では可愛かったんだが…

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  • 主催者のFrank(元パンクバンドのシンガーだそうである。後で調べたところによるとダブリンで活動していたBaby Snakesというバンドの模様。誰か知ってます?)に必要書類を渡し、それぞれ宿泊先が割り振られていく。ホテルなんかあるはずもなく、観客はそれぞれがミュージシャンたちの自宅に三日間お世話になるのである。事前に割り振ってあるのかと思ったら「あ、君たちは夫婦なのか――うーんじゃあこの家の二階に泊まれ」とかその場で割り振ってるので驚いた。リピーターたちは概ね事前に希望を出してるからその通りにしてるけど、あとは当日考える感じだった模様。ちなみにこのあとも「フェス」と言いつつ概ねこの調子で行き当たりばったりだったのだが、むしろその感じがここには合ってる気がする。
  • ということでぼくたちがあてがわれたのは一階に村で唯一のカフェ(自称)を備えた2階建ての家の二階のベッドルーム。ドアはなくカーテンみたいなのがかかっているだけで、家の子供がちょくちょく忘れ物を取りに来たりする(笑)。

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  • 同じ家には2本人男性2名とイギリス人女性1名が宿泊することに。
  • 家主は楽団のダンサーで、カフェの壁には世界各地で撮った写真が飾られている。

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  • 荷物を置いてしばしくつろいでいると、子供が食事だ呼びに来たので集会所に戻ってみるが何もなし。しかたないので再度宿に戻る(実はタイミングが合わなかっただけで、ここでクスクスが出てきたらしい)。
  • で、宿にもどったらお母さんが食事を出してくれた。でっかいパン(これはこのあと毎食出てくる)とオリーブ。旨い。

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  • 何やら音が聞こえるので集会所に行ってみると、演奏が始まっていた。基本的には自分から集会所に来てみないと全部見逃すようである。昼(といっても17時とかだったと思うがまだ全然明るい)の演奏は比較的リラックスムードで行われる模様。服装も私服だし。バイオリンが主旋律を奏で、みんなで歌う民謡のような曲が中心だった。

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  • 2,3曲聞いたところで終了。たぶん最後の方しか聞けなかったと思われる。部屋に戻って寝る。40度くらいあるので基本的に日のあるうちの活動は無理。とりあえず横になって読書を試みるが暑くて集中できず。ということで寝るしかないのである。
  • 暗くなった頃に集会場に行ってみると、近くでウェディングセレモニーをやってるから行ってみるといいと言われたので行ってみる。普通の民家みたいなところにどんどん人が入っていく。一緒に入っちゃっていいのかな?と思ったけど、入れ入れと言われるので言われるがままに入っていくと、中は意外と広く、中央の吹き抜けみたいなところで小編成(太鼓3名、笛3名くらい)での演奏が行われ、フロアとテラスでガンガン人が踊っている。
  • 写真はダメと言われたので残念ながらお見せできないのだが、若い女性が綺麗な服装で踊りまくってて、普段女性は人前に出てこないのでリピーターたちにとっても新鮮だったようだ。「この村にあんなに若い女の子がいたなんて全然気づかなかった」と口々に言っていた。天井のあるところでの演奏は広場とは音響的にも全然違ってド迫力。手を引っ張られて踊れ踊れと言われるのでガンガン踊る。楽しい!
  • 既にジャジューカ音楽の魅力の一端を見た気になりつつ広場に戻ると夕食。鶏肉のタジンにフライドポテトが乗っている。でかいパンがついてくるのでこれに乗せながら手づかみでハフハフといただく。旨い旨い。
  • 夕食が終わるといよいよ夜の演奏開始。24時スタートでおよそ2時間ノンストップ!

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  • 最後はブジュルードと呼ばれる半人半獣の精霊に扮したスターダンサーが登場。踊っている子どもたちを走るなまはげみたいなノリで追い回しつつ客を煽りまくり、オーディエンスもヒートアップしてく。ちなみにこのスターダンサーこそ我々の宿の主人である。

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  • 2時間の間、ミュージシャンもオーディエンスもまったくテンションの途切ず熱狂のうちに終了!初日からこのテンションか!

7/14(Thu) Tanger

  • 昨晩は夜中までずっとうるさかった。しかも早朝5時頃に爆音でアザーン(礼拝を呼びかける声)が流れて(すぐ近くに大きなモスクがあるのだ)再度起こされたり。
  • 昨日入れたSim、空港で使っている間はWi-Fiを使ってたので気づかなかったのだが、通話およびSMSは使えるもののデータ通信が生きてない模様?ホテルのWi-Fi(ロビーのみ使用可)につないで近隣の代理店を探す。歩いて10分くらいのところに発見。
  • ということでさっそく行ってみることに。1にも2にも通信環境が確保できないと落ち着かないというのも現代病という気もしつつ。しかしGoogleMapsでは9時半からと書いてあったのだが、行ってみると11時からと書いてあってまだオープンしていない。
  • ひとまずプチソッコまでもどり、適当なカフェで朝食。クレープ的なものを妻と半分ずつ分ける。蜂蜜たっぷり。

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  • 11時になったので再度行ってみる。ちなみに場所はメディナと新市街をつなぐ海岸沿いの大通りで、オープンカフェがずらっと並ぶあたりを通りすぎてオフィス街っぽい雰囲気になりかけた辺り。

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  • 2GB追加チャージしてもらう。これで240円とかである。安い!領収書をくれと言ったらメモ帳みたいなのに手書きで書いてよこした(笑)。
  • 再度プチソッコに戻ると、同じホテルに泊まっていた友人たちと遭遇。ジャジューカのフェスは日本人の参加者がとても多いのだが、中でもリピーター組が前夜祭的に集まって食事に行くというので混ぜてもらうことに。集合して、ちょっと街を散策してから時間になったらお店に行くのだという。
  • ということで集合場所のホテルに向かう。途中、市場があったので通り抜けることに。市場はどこの国に行っても楽しいよね。わりと区画によって売ってるものが決まっている感じ。肉、オリーブ、乾物等々。魚は広間みたいなところに固められていた。ちなみにドライフルーツ屋で妻が「種なしのやつはないか」と聞いてみたところ(種ありだと虫が湧くらしいの)、「種なしで売ってるやつはないよ。取ればいいじゃん」との回答。そりゃそうですけど。

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  • メディナは絵になるところだらけでついつい写真を撮りまくってしまう。

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  • 海側の外壁。

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  • タンジェは猫が多い。

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  • 集合場所はカスバ(城塞みたいなとこ)丘のてっぺん、ホテル「ラ・タンジェリーナ」。ここに泊まる人が8人くらいいたのかな。大変素敵なホテルである。まだ来てないようだったので屋上で待たせてもらうことに。

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  • 丘のてっぺんなので北を向けば海。

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  • ここでモロッコ特有のミントティーを初めていただく。甘いのな!ちょっと「ミントティー」と言われて想像するものとは違う味(後から聞いたところ、中国茶がベースになっているのだそうだ)。この後何杯も飲むことになる。

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  • ここで合流したサラーム海上さんが自分もSim買いたいというので一緒にでかける。グランソッコ(大きなロータリーみたいなところ)に店があるだろうというのでまずはそちらへ。店頭のショーウィンドウにInwiのSimを飾っている店があったので入ってみるが売ってないとのこと。で、路上でSimの束を持ってる兄ちゃんから購入することに。違法テレカを売ってるイラン人みたいな感じで怪しげだったのだが実は正式代理店(笑)だったようで、ちゃんと開通。やたらとセルフィーを撮りたがる人だったのでみんなで何枚も撮影。
  • とはいえデータ通信量が明らかに足りなそうだったので、ぼくがチャージしたお店に向かうことに。しかし行ってみたらシエスタ的な時間で16時まで開かないというので適当なカフェというかオープンテラス的なレストランへ。ビールとアテに魚のフライを頼む。1人前と言ったのに随分と豪勢に盛ってくれた。これとフライドポテトとオリーブで一人600円くらい。良心的!

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  • 一度ホテルに戻り、みんなと別れて少し休憩してからホテル近辺の土産物屋でお土産とか民族衣装とか購入。
  • 夜になって再度タンジェリーナに集合。毎年みんなで行っているというスペインレストラン「Valencia」へ。サラームさんがバンバン注文してくれる。

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  • 魚のスープ

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  • 手長海老

手長海老

  • 各種魚のフライ(さっきの店でも充分旨かったんだけど、こっちは段違いに旨い!)

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  • どれもこれも大変に旨い。明日から酒の一切ない村に行くので毎年ここで飲み納めをしているのだそうだ。これで2,000円くらい。安い旨い最高!

7/13(Wed) Flying to Morocco

  • 12日深夜発のカタール航空は定刻の0時半よりちょっと巻き(!)の0時15分出発。13日早朝にトランジット地であるカタールはドーハの空港に到着。一件数時間で着いたように見えるが時差があるのでこの時点で10時間くらい乗ってたことになるのかな。

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  • ドーハの空港は大変大きく設備も充実(子供の遊び場や無料の仮眠スペースまである!)。何やら国際的アーティストの作品だというものの前で一枚。免税店ではポルシェとか売ってるらしい!

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  • とはいえ今回のトランジットは時間が短いのですぐにカサブランカ行きの飛行機に搭乗。したのはいいのだが、なんかモロッコ人で老人中心のけっこうな団体客がフリーダムすぎてなかなか飛び立たない。座席指定とか完全無視、そもそもなかなか座らず歩きまわってるので、客室乗務員が「そっちに空席があるから座らせて!」とか言いながら駆けずり回っていて超大変そう。到着前から「これがモロッコ人か……!」と戦慄した。
  • カサブランカに到着し、入国がまた大変。Passport Controlに並んでると、モロッコ人のジジババがガンガン割り込んできていつの間にやら最後尾に追いやられている……。
  • ようやくカウンターに着いてパスポートと入国書類を提示するも、なんか「あっちに行け」と言われる。よくわからずにウロウロしてたら警備員から「スタンプをもらったのか」と聞かれたので「いや、彼があっち行けとか言うんだけどよくわかんなくて」と答えたところ、確認しに行ってくれた。入国書類を書き直せと、機内で配られたのとは若干異なるフォーマットの紙を渡される。内容は同じなんだけど。で、そちらを記入して違う列に並んだら即スタンプがもらえて終了。疲れる……
  • で、Baggage Claimに来るが荷物が出てきていない。着陸からけっこう時間経ってるんですけど。普通ならロストバゲージを心配してもいいところだが、他にもたくさん待ってるのでたぶん大丈夫。見ていると、5分に一個くらいのペースで荷物がポツポツ出てきている。これは時間かかるわ……。やがて痺れを切らしたひとたちがワイワイ騒ぎ始める。まあ、列の順番すら守らない人たちが大人しく待てるわけないわな。と思ったら、騒ぎが始まるとすぐに荷物がどんどん出てくるように(苦笑)。やればできるじゃんかよ!
  • さて、実はこの日の最終目的地はここカサブランカではなくタンジェなのである。なのだが、カサブランカ→タンジェの飛行機は深夜のフライト。トランジットに10時間くらいかかる。思えば羽田でタンジェまでの分もチェックインしておけば、少なくともこの荷物待ちの時間は発生しなかったはずなのだ。実際、羽田からタンジェまで同じコースで移動していた友人はここでさくっと外に出て、カサブランカメディナに遊びに行っていた(一緒に行こうという話もしてたのだけど、こちらが時間かかりすぎてはぐれちゃったのである)。
  • タンジェ行きの飛行機にチェックインしようとするがカウンターがよくわからずまたウロウロする。インフォメーションみたいなところで聞いても「This way」とか言ってるのがいまひとつ曖昧でよくわかんなかったり、ここじゃないと言われたり。
  • ともあれなんとかチェックインを終え、荷物も預けてひとまず身軽になる。着陸からここまで結局4時間くらいかかった。これからカサブランカの街に繰り出すのも疲れそうなのでそのまま空港のカフェで時間を潰すことに。

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  • 海外の空港に来てまずすることといえば通信手段の確保である。InWiというプリペイドSimのキャリアが目に止まったので早速申し込んだ。国内通話1時間半+国際電話30分+データ通信1GBでだいたい500円くらいというプラン。安いな!
  • 空港のカフェでひたすら読書(安田理央『痴女の誕生』、柳下毅一郎『皆殺し映画通信 冥府魔道』など、モロッコ感ゼロな本ばかり……)

皆殺し映画通信 冥府魔道
柳下毅一郎
4862553354
痴女の誕生
安田理央
4778315138

  • ということでようやく深夜のプロペラ機(!)でタンジェへ移動。小さい飛行機ながら乗り心地は悪くなく、搭乗と同時に爆睡。

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  • タンジェの空港ではホテルからタクシーが来てくれていた。英語の上手な運転手で、道すがらいろいろと案内してくれる。暗いし眠いしで全然頭に入らなかったけど。着いたホテルはメディナ(いわゆる旧市街。城壁みたいなのに囲まれた中にある迷路のような町並み)のどまんなか、「プチ・ソッコ」と呼ばれる区画に面している。周囲はカフェなどが多く、賑やかな地域。ここに2泊である。とりあえずシャワーのお湯がめちゃくちゃヌルかった。まあ安くて便利な場所にあるので全然OK。