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【39枚目】森本在臣 / タイムライン

以前にNOIZ NOIZ NOIZ FMの「微妙な自主盤特集」という会に出演していただいた森本さんの新作はアコギ弾き語り一発録りで録音されたもので、テープ(プロコピー!)のみのリリース。まずジャケが素敵。

episode 6 realindependent: talkin about self made...

今作のコンセプトは架空のデモテープである。まずは頭の中でバンド編成による完成形をイメージして作曲し、そこから逆算して元になるデモテープを再現してみるというもの。なんでわざわざそんなことを、という迂遠なコンセプトにも思えるが、ぼくもデモヴァージョンを聴くのは好きなので気持ちはわからんでもない。ボウイのCDのボーナストラックに入ってる弾き語りとか、結構いいですよね。

70年台前半にビートルズに憧れたのはいいがエレキを買えなかった青年が、いつか結成するバンドのために作ったデモテープ(でもブライアン・ウィルソンの影響もある)とは本人の弁。で、聞いてみるとビートルズっぽいかいうとそんな感じはあまりしなくて、弾き語りだし、どちらかというと悲しい曲調が多いので、やはりフォークに聴こえる。しかし70年ごろだとビートルズに憧れつつも同時代のフォークにも否応なしに影響受けちゃってるのかな、なんて空想が広がったりもする(考えすぎかしら)。
ギガーは基本的にはジャカジャカとシンプルなコードストロークで演奏しているのだが、時折単音のリフが入るあたり、バンド演奏のためのデモテープらしさを強めている感じである。
「デモテープ風」とはいえそこまでラフなものではなく、ところどころヨレたところは残しつつも演奏はしっかりしてるし、何より曲がいいので、これ自体が作品として聞くに耐えるというか、むしろすごくよくできていると思う。
でも、どうせならこれをバンドでやったものも聴いてみたいなあ。

なお、購入は通販のみなので本人にtwitterなどで直接問い合わせるといいです。

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