【38冊目】フランク・ミラー『スーパーマン:イヤーワン』
スーパーマンの生い立ちという、ある種手垢のついたテーマを新たに書くとした際に、何ができるのか。SNSで見る限り、かなり賛否両論のあった一冊である。
『ダークナイト・リターンズ』のフランク・ミラーがライターなのだが、個人的には絵もミラーだったらもっとよかったのにな、という感じ。
子供のころから自分の能力について、少年らしい自己顕示欲をちらほらと見せる感じの描写は面白い。そして軍隊に入るがそこでは馴染めず、というあたりもその後の展開と合わせて面白い。途中、海底に行くのだが、ここはちょっと蛇足感あり。これ、『アクアマン』とつながったりするのかな。
ネットでよく見かける不評なポイントとしては「後半が雑」というのがある。まあわからんでもない。雑というか唐突。しかし個人的にはバットマンとの関係が最高だなと思った。とりあえず殴り合う、みたいな。このクラークとブルースの愛憎関係は、『DKR』シリーズにもつながるものがある。
不評の理由もよくわかるのであまりオススメしようとは思わないが、すごくフランク・ミラーらしい本だとは思うのでミラーのファンなら買ってもいいんじゃないでしょうか。