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サイコ

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『海外特派員』を見て、やっぱりヒッチコックは面白いなあと思ってたところちょうどいいタイミングでBSで放映されたのを録画(まあヒッチコックはU-NEXTとかでたくさん見られるんだが)。ヒッチコックを集中的に見てた時期があるのだが、実はこれと『鳥』は未見だったのである(初期から見ていったところ、ここにたどり着く前に飽きたのだ)。
まあ、大変有名な話なのでオチは知っている。あと、シャワーのシーンもいろんなところで観ている。そんなわけでなんとなく知ってるつもりになってる映画とか小説を実際に観たり読んだりして「こんな話だったのか!」とびっくりするというのは、なかなかに楽しい経験だ。

まず、そもそもシャワー室で殺される女性がベイツ・モーテルを訪れる過程を全然知らなかった。不動産屋で働くOLが、おそらくはふとした出来心でお客の金を持ち逃げし、転がり込んだ先がベイツ・モーテルだったのだ。途中で警官に怪しまれたこともあり、中古車屋に寄って乗ってきた車を下取りに出し別な車を買うんだけど、そのときの挙動不審ぶりがものすごくて怪しさ満点。モーテルでも引き続き挙動不審ぶりは続く。でまあ、彼女があの有名な殺され方をしたところからは、主人公が交代して彼女を探す妹と彼氏、そして探偵が登場する。彼らがベイツ・モーテルの謎に迫っていくのだが……

とにかく見る前からネタは割れているので、「なるほど、ここがそういう複線か」みたいな見方になってしまうのはいたしかたない。これ、当時初見の人たちはどのへんで気づいたのだろうか。そして最後に延々と精神科医の説明が入る。ちょっとバランス悪いくらいなんだけど、このくらいくどくどやらないと当時はわかんなかったんだろうなあ、とも思った。
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こまかいところですごいなあと思ったのはシャワー室での殺人のあと、床に倒れた女優がぜんぜん瞬きしないこと(一瞬ピクっていうんだけど、それはそれで逆に絵に描いたり合成したりしてるんじゃないということの証明になってるようで、さらに感心する)。
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そういう感じで、もはや本来想定されている楽しみ方はできなくなってる作品ではあるが、それでもちゃんと面白く見れるのは流石。